毒蛇の魅力にとりつかれ共同住宅で無許可で飼う男。10年かけて集めたというコレクション数は、コブラ科12種25点、クサリヘビ科19種23点、ナミヘビ科1種3点の合わせて32種51点というから展示施設含めて日本ではトップクラスであろう。
そして飼育技術と愛情もハンパなものじゃないはず。
ヘビ男を咬んだトウブグリーンマンバの毒性の強さは、オーストラリア沿岸などのウミヘビ類に及ばないものの陸棲の毒ヘビでは、ナイリクタイパン、ブラックマンバ、ムフェジコブラ、ブラックタイガースネーク、コモンブラウンスネーク(順不同)や同属のセイブグリーンマンバ(ニシグリーンマンバ)やジェイムソンマンバなどの猛毒に次ぐ強い毒を持ちます。あくまでもマウスを使った致死レベルです。
どのような飼育環境で飼っているのかと想像してみた。美しくデンジャラスなヘビたちのため、そして鑑賞するために趣向をこらしているはず。さぞかし広い部屋なんであろう。
ところがです。ところがですよ。小学生が、昆虫やザリガニを飼うような蓋付きプラスチック水槽を幾段も積み重ね個別管理していたのです。そのプラ水槽の大きさは、どくろを巻いたヘビと水入れだけが入る程度。空きスペースもないぐらいだから枝や岩などのレイアウトも専用照明もなにもない。よく脱皮障害や栄養障害などを起こさなかったと思う。ヘビは意外と飼うと難しいので、感心してしまいました。
そして、ヘビの自重より軽いプラ水槽で、よくトラブルが起きていなかったと思う。運動力のあるヘビなら反動などで蓋が開きそうなもの。時事通信によるとブラックマンバも押収されたとういうから怒りも強くなる。柏木信一容疑者本人が咬まれ逮捕のきっかけになっていなかったら大惨事になっていたのでは。
大型になるブラックマンバなら簡単に蓋を押し開けるようになるでしょう。
毒ヘビの危険度は、単に毒の強さだけでは計れません。毒が強くても現地での被害が少ないものがあります。ブラックマンバは、大きさ、毒の強さ、スピード共に抜き出ています。また防御のために繰りかえし攻撃するといわれています。
災害時に猛獣が逃げ出さないように各地の動物園で飼育舎を耐震構造にしていますが、マンションの一角のヘビランドでは、無縁な様子。それでなくてもヘビは逃亡の名人。
ワニやカミツキガメが逃げた、捨てたといっても民家に入り込んでくる可能性は低いもの。外来のヘビは、その逆だと思われます。なんか後ろでモゾモゾしているなと手をやって、ガブリ。なんか踏みつけたら激痛。恐い、気持ち悪いでは済みません。生死をさ迷うことになります。体調が悪かったり子供やお年寄りなら致命的です。無毒にしても感染症の心配もあります。
都市部をコンクリートジャングルといういわれかたがされ、さらに温暖化によってスコールのような雨や雷雨が降ります。爬虫類などは、マニアや一部の人が飼うものだったのが、お洒落・個性的という理由などから横文字職業の人などにも愛され、鳴かない臭わない手間がかからない等、現在の住宅事情と生活にマッチしていることから一般的なペットになりつつあります。エキゾチックアニマルの蠢く、まさにジャングルです。
ヘビにしてみれば、生きることと自分の身を守るために咬むわけですが、世界中で年間約5万人がヘビの毒牙の犠牲になっているという統計がでています。本州にいればニホンマムシやヤマガカシに気をつければよかったのですけど、事情も変わってきているのかもしれません。
それにしても渋谷周辺、今月後半だけでもニホンザルが出没したり、暴力団組員の首刺し事件、通り魔事件、民家倒壊と騒がしいです。
毒ヘビに悪気はないですが、管理下のテリトリーから離れると恐ろしいことになります。音もなく移動する毒蛇は、サイレンサー付きの銃のようなものです。そう考えると今の動物愛護法には抑制力がなにもないと感じてしまいます。
そして全国紙のA新聞社のネットニュースのタイトルは、どうかなと思いました。「コブラ毒から奇跡の生還… でも51匹違法飼育ばれ逮捕」。容疑者におめでとうといいたいのでしょうか。ヒーローでしょうか。人命は大事ですが、犯人が勘違いさせかねる表現は好ましくないと思います。
周囲に長期に渡り危険にさらした無責任男です。逮捕前のTV取材で対応をみる限り、反省していないんですかという記者の問いかけに、なんで説教されなくちゃならないのと答えるなど反省した様子もなく下手すれば、マンバに咬まれて死ななかったことを勲章にしかねません。
保釈後、多くの家族であったであろう毒ヘビちゃんを押収によって失った彼が思うことはなんでしょう。保護収容先の日本蛇族学術研究所(ジャパンスネークセンター)まで再会しに行くのでしょうかね。そこで飼養されるシロヘビに心身を清めてもらうといいかもしれません。「ヘビより恐い?毒男展」という企画も面白いかもしれません。
コブラ類をはじめとして多くのヘビが、激減しています。違法してまで飼いたいのであれば、現地に行って保護活動をしてもらいたいと思います。海外では、報奨活動をする芸能人やセレブの活動風景がニュースになって流れます。
2008.8.27 10:44 MSN産経ニュース
美しく温厚な毒蛇「トウブグリーンマンバ」
同意語: ヒガシグリーンマンバ. イースタングリーンマンバ.
学名: Dendroaspis angusticeps, A. Smith, 1849.
英名: Eastern Green Mamba.
分類: コブラ科 マンバ属.
分布: 南東アフリカ(ケニア、マラウイ、タンザニア、モザンビーク、ジンバブエ、南アフリカ共和国など。
生息地: 湿度のある常緑林と川辺のそば、湿潤サバンナ。
大きさ: 平均して1.8~2m。マンバ属最小。
生態: 木や潅木の上で生活し細くしなやかため動きは速い。昼行性。エサはげっ歯類などの小型哺乳類や小型鳥類、卵、爬虫類など。


